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つれづれなるままに… レスやお題文や他、いろいろ
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おかしい


こんなはずじゃなかったのに

最初は単なるクラスメート
特に最初は気になりもしなかった
ただウワサで聞いていた、このクラスには

えらく女子に人気があるヤツがいる


それくらい


自分には関係ないし、これからだってそんなヤツと知り合いになる予定も無かった

なのに突然掛けてこられた言葉


『ねえ、それ面白い?』


柔らかい口調でそう聞いてきた男に俺はゆっくり視線を上げた
そこには顔はみたことがあったが名前までは知らないヤツが立っていた
ヤツはにっこりと顔を崩し前の席に座ると俺の読んでいた本に指を置いた


『いつも何か読んでるよね?本がすきなの?』

『別に、暇潰しだ...』


普段なら名前も知らない奴に話しかけられても会話がすぐに終わるような返事ばかりだったのに
なぜかその時は相手の口調のせいか、思った以上に素で話してる俺がいた
昼休みの時間殆どを俺の前で費やしていたソイツは予鈴がなると同時に『じゃあ』と言って席を立った
名前も知らないままで話していたのはどうなんだ?と思いながらも背を向けたヤツに声をかけることが出来なくて
その背中を見ていると、ヤツは『あっ』と何かを思い出したようにコチラを振り向いた


『俺、二見馨って名前だから。』
『ふたみ...?』
『そう、覚えててね』


嬉しそうに笑ってそう言ったアイツがやけに印象に残った


それからふと気が付けば隣や前に二見が座っていることが増えていった
廊下を歩いていても隣に居て、体育の授業のときもふと横を見るとそこには二見が居た
そんな二見と仲が良かった槌谷も加わって3人一緒に居ることが増えていた

他愛も無いことを話したり、バカなことをしてる二人に突っ込んでみたり

高校に入って初めて友達と言えるヤツらができたかもしれないと思っていたのに...


いつのころからだったか...


アイツの目を見ることが怖くなった


前とは変わらない
そう思いたいのにどこかが違う
あの最初に声を掛けてきた時の二見とは明らかに違う目をして俺を見ている時があって
聞けばいいことだと分かっているのに

怖くて聞けなかった

聞いてこの関係が壊れるのが怖かったから

だったら気にしなければいいと思うのにそれも出来なくて

『おまえ最近何かあったのか?』

そう遠まわしに聞いた俺にあいつはにこりと顔を崩した


『なんで?』

『いや、なんかおかしいかなって...』

『それは俺じゃなくて、アナタでしょ』

『は?俺のどこがおかしいんだよ』

『だって今更じゃない』

『何が?!』


おかしいと言われ問い詰めようとした俺に


眉間に皺を寄せながら口角を上げるという不思議な表情を見せてきた二見は



『俺はずっと変わってないよ...』





悲しそうにそう呟いた


**
無視できない誤差
相手は変わってないけど自分の中で何かが変わったとき、それを自分の変化と取るか相手の変化と取るか...そんな話にしたかったのに...挫折!
しかもお題とあってません(泣)ゴメンナサイ;;

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ヒラヒラ風になびくスカート
女子の特権のようなソレを履き、クルクル目の前で回ってる人間の体型は明らかに女子のものではない


なぜ?


そんなこと………俺に聞かれても知るか!

学舎祭が10日後に迫ったその日

俺の目の前に黒のタイトスカートトに身を包み薄化粧をした二見と、パステルブルーのスカートを身に纏い薄化粧をした槌谷が現れた
コチラを見ながらニコニコしている二見とスカートがヒラヒラするのが面白いのかクルクル回る槌谷
俺は椅子に座ったまま二人を見上げて


「変態」


抑揚無く言った
その言葉に二見は『率直な感想ね』と苦笑を浮かべ、槌谷は『ノォォォ!!』と叫んで壁にへばりつく
そんな二人の姿を眺めながら一つ大きなため息を吐いた


「で、なんでそんな格好してんだよ」

「え、アナタ聞いてないの?」

「何のことだ?」

「何のことだって…ねえ?!」

「生徒会の出し物に協力お願いしまぁ~す♪」


そう言うと槌谷が一枚の紙を俺の目の前に出してきた
そこには催事実行委員会という見出しがあり、その下には何人かの名前が書き連ねられている
書かれている名前を上から順に読んでいくとそこになぜかそこに俺の名前があった


「なんだ?これ...聞いてねえぞ!」

「あれ?でもひふみ先輩がアナタにも昨日声掛けたって言ってたけど?」

「はあ?そんなの.........あ...」


そんなこと言われてない...そう続けようとしたとき、昨日秀真先輩に話しかけられたことを思い出した

『お願いがあるの』
『なんですか?』
『アナタにお手伝いして欲しいことがあって』
『......モノによりますけど...』
『そんな大変なことじゃないの。ダメかしら?』
『......俺が出来ることだったら...』
『もちろんよ。じゃあ明日の放課後生徒会室まできてくれる?』


あのキレイな顔でにっこり微笑みながらそんなことを言われて、果たして嫌と言える人間が居るのか?
俺も例に漏れず先輩のその笑顔に絆されて無意識のうちに頷いてしまっていた
秀真先輩に今までされてきたことを忘れ果てて...


思い出してガクッと首を垂れる
またか...なんでこう学習能力が無いんだと言いたくなる
自分でも頭が悪いとは思わないが、何かに目を奪われると一瞬思考が停止することがあるんだ
あの先輩には良くそんな状況になってちゃんと内容を確認しないままにお願い事を引き受けてしまい後で後悔することが多いのに
自分の軽率さを悔やみながら悶々と考え込んでいるといきなり身体が重力を感じなくなる
現実に引き戻され、なんだ?と視線を上げると目の前に槌谷の顔があって思わず仰け反った
それと同時に天地が逆転する


「わわわ...危ないなりよ~」

「ほんとに。オレが居なきゃ落ちてたね」


何かに頭を支えられ俺の足元からする声に視線をそちらに移すと見えたのは電灯で
なんで電灯がそこにある?
なんで俺はさかさまになってるんだ?
そんな全ての疑問を解決したのは二見の言葉だった


「ほら、さっさと抱えなおしなよ、槌谷」

「らじゃ~!」


抱えなおすだと?
そう思っている間に頭が持ち上げられて体勢が元に戻る
でもそれは足が地面に付くというわけじゃなくてまた目の前に槌谷の顔がくると言う状態


「ホントは俺が抱っこしてあげたいけど、スカートがこれだから槌谷で我慢してね」

「ぬお!二見!それは聞捨てならぬよ!!」

「だって槌谷落としそうだったじゃない」

「ノンノン!ノォプログラム!!」


Problemだろ...
二人の会話に混乱しながらも突っ込みを入れているといきなり身体は動き出し凄い速度で移動していく
俺の横では同じように走る二見の姿がある
自分の今の姿を想像した俺は恥ずかしさのあまり槌谷の胸をバシバシ叩いた


「下ろせ!この...」

「ダメよ~ん!いっつん急便は大事なお荷物を丁寧に~♪」

「もうあの犬とパシリくんも終わってるだろうから早くしないとね」


犬?パシリ?
イヤな予感がしてくる
眉間に皺を寄せて二人の顔を何度も往復する
すると二見はにっこり、槌谷はにへらと顔を崩して

「じゅりの服は可愛いピンクよん」

「結構スカートの丈が短かったから気をつけてね」

天使のような笑顔で悪魔のように凶悪な言葉を口にした
二人の言葉に俺の思考回路は既に限界ギリギリで




「いやだぁぁぁぁあ!!!!」




俺は高校生活で初めて、ひと目も気にせず廊下で叫んだ





男に抱きかかえられてる時点で既に終わってる...



**
ミニスカート
これはなんて言うんでしょう?
ひふみさん最強伝説?!
一応2-Dのつもりではあるんですが...そうは見えない拙い文章(泣)







「絶対手ぇ出すなよ!!」

「了解であります!隊長!」


頭に手を添えて言ってみたけど危なっかしくて見てられない
台に乗って頭上はるか上にある本を取ろうと背伸びをして手を伸ばすキミ
俺だったらその台に乗って少し手を伸ばすだけで届くのに...なんでダメなの?
さっきから「取るよ」って言っても絶対俺に取らせてくれないつもりなのか、キミはどの本かさえも教えてくれない

こんなときしか役に立てないんだから頼って欲しいのに


シュンとしながらもキミが乗る台を動かないように手で固定する
最初はそれすら許してもらえなかったけど、一度後ろに体勢を崩したキミが落ちそうになったから

俺は有無を言わさず無理やり台に手を添えた




キミが本に手を伸ばし始めてからどれくらい経ったのか
その額には汗が滲んでいて顔も少し苦しそうに歪んでいる
すごく大変そうなのにまだ俺に頼ってくれないの?
そんな気持ちを隠すように俺は腕を伸ばすキミの姿を下から見上げた

「じゅり~!取れたなりかぁ~?」

「煩せえ!!」


キミは本しか見えてないのか、俺に返ってくる言葉はとても冷たい


いつものコトだけど
ほんとにいつものコトだけど


やっぱり寂しいよね...




椅子を持つ手を見るように俯きながら考えていると、頭上から「あっ!」と言う声が聞こえてきた
まさか?!と思って頭上を見上げる

するとそこにはもうキミの背中が近づいていて




俺は咄嗟に手を離し




落ちてくるキミの身体をキャッチした






「じゅりえ大丈夫?!」


抱きとめたキミの身体の向きを変えこちらと向き合うようにする
落ちたショックからかキミは呆然としていてその手に抱きしめられていた本が俺の目に晒された



「あっ...」



思わず小さな声を上げてしまう
俺の声を聞いて我に返ったキミは、自分の手元に視線をやると驚いたように目を見開き、慌てて本を抱きしめ隠した




もう隠しても遅いよ...じゅりえ...




そうは思ったけど、それでもキミが必死に隠そうとするから

俺は何も言わず、にへらと顔を崩してキミを抱きしめた









「早期解決!水が怖くならない克服術」











ホントのことを言えば俺を頼って欲しい

水のことならなおの事




だけど




それでもキミが自分で頑張るっていうなら

ずっと隣で見守ってるよ




だから





いざとなったら最後は絶対、俺に頼ってね?






そんな思いと一緒にキミを抱きしめる腕に力を込めた



**
向き不向き

お題と合ってない~!!(泣)
最初お題をカン違いして書き始めちゃってたから余計なんだろうけど...修正しようにも出来なかったから結局結果は変わらなかったんでしょうね(汗)
いつもいつもゴメンナサイm(_ _;)m


 


「ほんとに良いのか?」
「うん、俺が持ってても宝の持ち腐れで読まないし...」


日曜日
学校が無いこの日
俺はアナタに本を届けると言う名目で家を訪ねた
昼から部活があるから長居は出来ない
でも、いつもは会うことさえままならない日曜日にどんな理由であれアナタの顔が見れる


それだけでも幸せだって思わなきゃね


そう自分を納得させて目の前のアナタへと視線を移した









家に埋もれてた外国の本
俺にしてみればまったく興味もないし読む気も無かったただのゴミ
それがアナタの目に留まった瞬間からとても価値のあるものへと変化した


アナタにとっても
俺にとっても


その本を俺の家で見つけた時のアナタの顔
俺は一生忘れないと思うよ


『いるならあげるよ』


そう俺が言ったとき、アナタの顔は今まで見たことが無いほど輝いていた


その顔がまた見たくて量も結構あったから、何冊かをその日に渡して残りを俺が持ってきた
俺の手から本を大切そうに受けとるアナタの顔は高揚からか少し赤みを帯びていて






思わず抱きしめたくなる






手を出しそうになるのをどうにか我慢しているとアナタが嬉しそうに顔を緩めて俺を見る









あぁもうそんな顔しないでよ









俺の心の中の葛藤を知らないアナタは初めて見る笑顔を俺に投げかけてきた














も う ダ メ だ ...














我慢なんて出来るわけが無い







「二見、サン...っ!!!」









ここがアナタの家の玄関前だということも承知の上

アナタが俺に礼を言おうとしたのも分かっていて








その言葉を遮るようにアナタの唇を俺のそれで塞いだ








アナタが悪いんだよ...





アナタがいつもみたいに不機嫌な顔じゃなくて





そんな笑顔を見せるから...












心臓がバクバクと音を立てて鳴り止まない

それを悟られないようにそっと唇を離した俺は




呆然として動けないアナタに向かって












「礼には及ばないよ。ごちそうさま」












いつものように笑みを浮かべてウインクした


**
重ねた本

二主...また二主...欲求不満な二見ん&素直な主...みたいな(汗)
少女漫画的思考になっているんだろうか...私
そんなことを言ったら少女漫画に失礼ですね(泣)

 

別に意味なんて無い



特に行くとこが無くて暇だった



ただ、それだけ








ピン ポーン


ドア前のインターホンを押すと中からドタドタ言う音が聞こえてくる
もう少し静かに動けないものかと思いながら玄関前で待っていると



ガチャガチャ バタン!



大きな音を立てて目の前のドアが開かれた


「じゅ~り~!!!」


ドアが開くと同時に飛び出してきたひょろ長い生物に抱きしめられる
抱きしめてくる腕の力に胸が締め付けられてろくに息も出来ない
目の前の胸を力の限り押し返した俺は呼吸を整えてから口を開いた


「...放さねえと...帰ンぞ」
「おお!」


手を離した槌谷は万歳をするような格好でにへらと顔を崩す
そして俺の顔を窺うように首を傾げると


「ゴメンね」


身体に似つかわしくない態度で可愛く謝ってきた
ホントは文句の一つや二つや三つ言いたかったが、玄関前と言うこともあって睨むだけで勘弁してやる
そんな俺の様子にシュンとしてしまった槌谷はこちらを見たまま動こうとしない
俺は槌谷に分かるほどの大きなため息を吐いて


「どうぞ、とか言えねえのかよ」


不機嫌な態度を前面に押し出しそう言った
槌谷は慌てながら俺の手を引き『どぞどうぞ~!!』と玄関の中に引き入れる
別に手は引かなくてもいいんだけどな...そう思いながらもこれ以上言うと槌谷のテンションがまた下がるのは確実だから止めておいた
手を離そうともせず、足も止めようとしない槌谷に、俺は慌てて靴を脱いで玄関を上がる
ズンズン廊下を歩いていく槌谷の後ろを着いていく
いつもなら途中にある槌谷の部屋に入るのに、今日は廊下の突き当たりにあるリビングに案内された
槌谷は俺をソファに座らせると『ちょっと待っててね』と言って違う部屋に消えて行った
今まで槌谷の家には何度か来たことはあったが、アイツの部屋にしか入ったことはなかった俺は行儀が悪いと思いながらも辺りをキョロキョロ見渡した


あ...あれって


リビングの隅に大小さまざまなトロフィーが隠すように置かれているのに気がついた
ソファから立ち上がり近づいて見るとそれはピカピカに光っている
毎日磨かれているのかトロフィーには塵一つ付いていなかった


大切にしてるんだろうな...


しゃがみ込んでみていると急に上から影が落ちてきて


「じゅりえ、それ欲しいのん?」


そんな言葉と共に筋肉が程よく付いた腕に抱きしめられた
さっきの苦しい抱擁とは違い優しく抱きしめてくる腕の温かさに身を預けたくなる
胸の前で組まれた腕にそっと手を置いた俺は槌谷に顔が見えないように俯いた


「いらねえよ...おまえの大切なもんだろ」
「う~ん...大切だけど...」
「...だけど、なんだよ」
「一番は前嶋だから...」
「.........」
「前嶋にだったら全部あげるよ」


甘い声で囁かれた言葉に胸がドキンと跳ねる
時々コイツは普段からは想像も付かないほど甘い声を出すから困るんだ


俯いていて良かった...
抱きしめられているのが後ろからで良かった...と


熱くなっていく顔を隠しながらホッと小さく息を吐いた





槌谷の家にやってきたのはただの気まぐれ


最初は本当に理由なんてなかった...はず




でも





もしかしたら








俺はこんな時間を過ごしたかったのかもしれない









甘い 甘い 全てが蕩けそうなヒトトキ



**

なんとなく
槌主!甘いの目指してみたのに挫折(汗)
それにしてもやっぱり乙女だ!!乙女脱出出来ません(泣)

  

最近の日課になっていること
それはベッドに横たわる前

机の前に腰掛け、引き出しの中にある写真立てを取り出すこと


『ねえ、これアナタの机に置いてよ』


そう言って手渡されたのは薄っぺらい長方形の箱
中を確認しようと箱に手を置けば、俺より大きな手によってそれは阻止された


『帰るまでのお楽しみってことで』


ニコリと笑ったアイツを訝しげに睨んでみたけど効果は無しで


『ね?』


念押しされた俺は結局中身を確認せずにそれを家に持ち帰った
ただ家に持ち帰ったものの暫らくは存在を忘れ去っていて、俺がそれを思い出したのは課題をしようとカバンを開けたときだった
そういえば...なんなんだ?これ
思いながら箱を開けてみれば、そこには裏返された写真立てが入っていた

なんで...?

不思議に思って取り出して見る
そして箱から出した瞬間視界の隅にあるものが過ぎって
俺は慌ててそれを箱に戻した。


なんなんだ?何のつもりだ??


取り合えず意味が分からなかったからくれたアイツに電話をしてみる
俺が電話を掛けてくると思っていたのか
アイツは2コールもしないうちに電話に出た


『もしもし、どうしたの?アナタからの電話くれるなんて』
『どうしたのじゃねえよ!』
『あら、アナタがそんなに慌ててるのって珍しいね』
『珍しいね、じゃねぇだろ!何のつも...?!』
『言わなかったっけ』


俺の言葉を遮った口調があまりにも真剣で
アイツのふざけた口調が一瞬にして真剣みを帯びたから俺は言葉に詰まる


『...言ったとかじゃなくて』


それでもどうにか言葉を搾り出すとアイツの声がまた穏やかなものに戻った


『アナタの机、なんだか殺風景でしょ』
『殺風景でも......こんな、飾れねえだ...っ』
『...って言うのは口実で、俺をアナタの傍に置いておきたかったからって言ったら?』
『...っ』
『置いてよ。ずっとはムリでもアナタが部屋に居る間だけでいいから...』
『...そんなの...』
『ムリ?やっぱり男の写真なんて気持ち悪い?』


電話口から聞こえてくる声に寂しさが色濃くにじみ出る


......卑怯だ


こんなふうに言われれば

こんな声を出されれば



俺の返せる言葉は一つしかない



『ムリ、じゃねえよ...』
『ホント!ありがとう』


帰ってくる声色が喜びに満ち溢れている
そんな声を聞くとどうにも調子が狂ってしまって


『じゃあ用件はそれだけだから』
『え?もう切るの?』
『切る...』


これ以上話していてもまた調子が狂うから俺は一歩的に電話を切った。

結局、自分が部屋に居るあいだでさえ机の上に写真立てを置くことが出来ない

それは男の写真だからとかそんな理由じゃなくて...





アイツの写真だから





机の上なんかに置いてるとずっと見られてるような感じがするから落ち着かないんだ

だから

寝る前に一度だけ必ず机からそれを取り出して



『おやすみ...ふたみ』



その写真に唇を落とした

**
写真立てを眺める
乙女な二主...ヤバイよ私の頭の中!!いやんv

 


空を見上げてため息一つ

「あ~あ...やっぱり空はご機嫌ナナメだね~」
「ホント無粋だよね...」


何度空を見上げても雲が引くわけでもない
それなのに二人の視線はずっと空を見つめたまま


女子じゃないんだから七夕に空を見上げて何が楽しいんだか


とっとと諦めていいかげん帰れば良いのに...
そう思いながらコイツラに付き合ってる俺もどうだと言う話だ



「「今日、星を観にいこうよ」」


前々から計画していたらしいそれに今日の昼休みいきなり二人から誘われた
親が居るから抜け出せないと一度は断ったその誘い
でもあまりににもコイツラがしつこかったから
親を納得させることが出来たら行ってもいいと渋々承諾した


そして...


「僕の家でテスト勉強したくて...」


にっこり笑った二見と


「エへ...一緒に勉強したいです!」


にへらと笑った槌谷に


俺の母親はいともたやすく落とされた
絶対にムリだと思ってたのに『たまにはお友達と一緒に勉強するのもいいわね』と手土産まで持たされ


俺は今ココに居る






二人に習って見上げると空一面には雲が広がる

雲に邪魔されて見えはしないが、この向こうには確かに星で出来た天の川が流れていて
その対岸に住む彦星と織姫が今日というこの日だけ会うことが許されるというが


「雨が降らなきゃ会えるんだよな...確か」
「雨が降っても会えるんじゃなかったっけ?」
「そうそう!確か橋が鳥で出来てその上を踏んで行くの?」
「だったら、曇るよな...」


ふと思ったことを口にしたら二見と槌谷が一斉に動いたのが気配で分かった


「え?」
「なんで?」


その声に視線を移すと、何を驚いたのか二人して目を見開きポカンとした顔をしていて
俺と目が合うと魂が戻ってきたようにこちらの方へと近づいてきた


「晴れたほうがいいでしょ?」
「1年に1度の逢瀬なんだよ?」


身を乗り出し言ってくる二人に、近いと思いながら視線を逸らして空を見上げる

そこにはスキマなく覆われた灰色の雲があって俺の視界を埋めつくしていて



やっぱり



1年に1度だからこそ...


「見られたくねえだろ」


そう言った瞬間


両隣から息を呑むような音が聞こえてきて

俺は二人に息苦しいほどの力で抱きしめられた




星さえも見ていないこの場所で

アナタと キミと 

ずっと一緒に入られたらいいのに...


**
天かける橋
七夕ネタでも御題に合ってない!!!
話もどうかと思う...最近乙女な主がきてるの?と言いたくなるんですが(泣)...どうした私?!
中途半端でゴメンなさい(土下座)

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