空を見上げてため息一つ
「あ~あ...やっぱり空はご機嫌ナナメだね~」
「ホント無粋だよね...」
何度空を見上げても雲が引くわけでもない
それなのに二人の視線はずっと空を見つめたまま
女子じゃないんだから七夕に空を見上げて何が楽しいんだか
とっとと諦めていいかげん帰れば良いのに...
そう思いながらコイツラに付き合ってる俺もどうだと言う話だ
「「今日、星を観にいこうよ」」
前々から計画していたらしいそれに今日の昼休みいきなり二人から誘われた
親が居るから抜け出せないと一度は断ったその誘い
でもあまりににもコイツラがしつこかったから
親を納得させることが出来たら行ってもいいと渋々承諾した
そして...
「僕の家でテスト勉強したくて...」
にっこり笑った二見と
「エへ...一緒に勉強したいです!」
にへらと笑った槌谷に
俺の母親はいともたやすく落とされた
絶対にムリだと思ってたのに『たまにはお友達と一緒に勉強するのもいいわね』と手土産まで持たされて
俺は今ココに居る
二人に習って見上げると空一面には雲が広がる
雲に邪魔されて見えはしないが、この向こうには確かに星で出来た天の川が流れていて
その対岸に住む彦星と織姫が今日というこの日だけ会うことが許されるというが
「雨が降らなきゃ会えるんだよな...確か」
「雨が降っても会えるんじゃなかったっけ?」
「そうそう!確か橋が鳥で出来てその上を踏んで行くの?」
「だったら、曇るよな...」
ふと思ったことを口にしたら二見と槌谷が一斉に動いたのが気配で分かった
「え?」
「なんで?」
その声に視線を移すと、何を驚いたのか二人して目を見開きポカンとした顔をしていて
俺と目が合うと魂が戻ってきたようにこちらの方へと近づいてきた
「晴れたほうがいいでしょ?」
「1年に1度の逢瀬なんだよ?」
身を乗り出し言ってくる二人に、近いと思いながら視線を逸らして空を見上げる
そこにはスキマなく覆われた灰色の雲があって俺の視界を埋めつくしていて
やっぱり
1年に1度だからこそ...
「見られたくねえだろ」
そう言った瞬間
両隣から息を呑むような音が聞こえてきて
俺は二人に息苦しいほどの力で抱きしめられた
星さえも見ていないこの場所で
アナタと キミと
ずっと一緒に入られたらいいのに...
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天かける橋
七夕ネタでも御題に合ってない!!!
話もどうかと思う...最近乙女な主がきてるの?と言いたくなるんですが(泣)...どうした私?!
中途半端でゴメンなさい(土下座)