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つれづれなるままに… レスやお題文や他、いろいろ
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最近の日課になっていること
それはベッドに横たわる前

机の前に腰掛け、引き出しの中にある写真立てを取り出すこと


『ねえ、これアナタの机に置いてよ』


そう言って手渡されたのは薄っぺらい長方形の箱
中を確認しようと箱に手を置けば、俺より大きな手によってそれは阻止された


『帰るまでのお楽しみってことで』


ニコリと笑ったアイツを訝しげに睨んでみたけど効果は無しで


『ね?』


念押しされた俺は結局中身を確認せずにそれを家に持ち帰った
ただ家に持ち帰ったものの暫らくは存在を忘れ去っていて、俺がそれを思い出したのは課題をしようとカバンを開けたときだった
そういえば...なんなんだ?これ
思いながら箱を開けてみれば、そこには裏返された写真立てが入っていた

なんで...?

不思議に思って取り出して見る
そして箱から出した瞬間視界の隅にあるものが過ぎって
俺は慌ててそれを箱に戻した。


なんなんだ?何のつもりだ??


取り合えず意味が分からなかったからくれたアイツに電話をしてみる
俺が電話を掛けてくると思っていたのか
アイツは2コールもしないうちに電話に出た


『もしもし、どうしたの?アナタからの電話くれるなんて』
『どうしたのじゃねえよ!』
『あら、アナタがそんなに慌ててるのって珍しいね』
『珍しいね、じゃねぇだろ!何のつも...?!』
『言わなかったっけ』


俺の言葉を遮った口調があまりにも真剣で
アイツのふざけた口調が一瞬にして真剣みを帯びたから俺は言葉に詰まる


『...言ったとかじゃなくて』


それでもどうにか言葉を搾り出すとアイツの声がまた穏やかなものに戻った


『アナタの机、なんだか殺風景でしょ』
『殺風景でも......こんな、飾れねえだ...っ』
『...って言うのは口実で、俺をアナタの傍に置いておきたかったからって言ったら?』
『...っ』
『置いてよ。ずっとはムリでもアナタが部屋に居る間だけでいいから...』
『...そんなの...』
『ムリ?やっぱり男の写真なんて気持ち悪い?』


電話口から聞こえてくる声に寂しさが色濃くにじみ出る


......卑怯だ


こんなふうに言われれば

こんな声を出されれば



俺の返せる言葉は一つしかない



『ムリ、じゃねえよ...』
『ホント!ありがとう』


帰ってくる声色が喜びに満ち溢れている
そんな声を聞くとどうにも調子が狂ってしまって


『じゃあ用件はそれだけだから』
『え?もう切るの?』
『切る...』


これ以上話していてもまた調子が狂うから俺は一歩的に電話を切った。

結局、自分が部屋に居るあいだでさえ机の上に写真立てを置くことが出来ない

それは男の写真だからとかそんな理由じゃなくて...





アイツの写真だから





机の上なんかに置いてるとずっと見られてるような感じがするから落ち着かないんだ

だから

寝る前に一度だけ必ず机からそれを取り出して



『おやすみ...ふたみ』



その写真に唇を落とした

**
写真立てを眺める
乙女な二主...ヤバイよ私の頭の中!!いやんv

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