「絶対手ぇ出すなよ!!」
「了解であります!隊長!」
頭に手を添えて言ってみたけど危なっかしくて見てられない
台に乗って頭上はるか上にある本を取ろうと背伸びをして手を伸ばすキミ
俺だったらその台に乗って少し手を伸ばすだけで届くのに...なんでダメなの?
さっきから「取るよ」って言っても絶対俺に取らせてくれないつもりなのか、キミはどの本かさえも教えてくれない
こんなときしか役に立てないんだから頼って欲しいのに
シュンとしながらもキミが乗る台を動かないように手で固定する
最初はそれすら許してもらえなかったけど、一度後ろに体勢を崩したキミが落ちそうになったから
俺は有無を言わさず無理やり台に手を添えた
キミが本に手を伸ばし始めてからどれくらい経ったのか
その額には汗が滲んでいて顔も少し苦しそうに歪んでいる
すごく大変そうなのにまだ俺に頼ってくれないの?
そんな気持ちを隠すように俺は腕を伸ばすキミの姿を下から見上げた
「じゅり~!取れたなりかぁ~?」
「煩せえ!!」
キミは本しか見えてないのか、俺に返ってくる言葉はとても冷たい
いつものコトだけど
ほんとにいつものコトだけど
やっぱり寂しいよね...
椅子を持つ手を見るように俯きながら考えていると、頭上から「あっ!」と言う声が聞こえてきた
まさか?!と思って頭上を見上げる
するとそこにはもうキミの背中が近づいていて
俺は咄嗟に手を離し
落ちてくるキミの身体をキャッチした
「じゅりえ大丈夫?!」
抱きとめたキミの身体の向きを変えこちらと向き合うようにする
落ちたショックからかキミは呆然としていてその手に抱きしめられていた本が俺の目に晒された
「あっ...」
思わず小さな声を上げてしまう
俺の声を聞いて我に返ったキミは、自分の手元に視線をやると驚いたように目を見開き、慌てて本を抱きしめ隠した
もう隠しても遅いよ...じゅりえ...
そうは思ったけど、それでもキミが必死に隠そうとするから
俺は何も言わず、にへらと顔を崩してキミを抱きしめた
「早期解決!水が怖くならない克服術」
ホントのことを言えば俺を頼って欲しい
水のことならなおの事
だけど
それでもキミが自分で頑張るっていうなら
ずっと隣で見守ってるよ
だから
いざとなったら最後は絶対、俺に頼ってね?
そんな思いと一緒にキミを抱きしめる腕に力を込めた
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向き不向き
お題と合ってない~!!(泣)
最初お題をカン違いして書き始めちゃってたから余計なんだろうけど...修正しようにも出来なかったから結局結果は変わらなかったんでしょうね(汗)
いつもいつもゴメンナサイm(_ _;)m