とある月曜日
登校して自分の席に座ったら小さな違和感を感じた
なにがって言われたら分からないけど...いつもと少しだけ違う
席の場所も変わってないし机の高さが変わったわけでもない
..........
特に周りを見渡しても何かが変わったというわけでも無さそうだ
気のせいか?
そう思おうとしたけどやはり違和感は付きまとう
と、いうことは一番疑うべきはこの辺りか
机の周りを注意して見てみるとソレは案外簡単に見つかった
2、3、0...?
机の端のほう
目立たない場所にソレはある
意味が無いように並べられた3つの数字
ペンか何か、青い色でそれは書かれていた
なんだ?これ?落書きか...?
指で消そうと試みると書いてあるだけと思っていたソレは少しボコボコしているのに気がつく
何かで彫った後に色を着けてあるのを見てソレをやった人間に対してため息を吐いた
誰だよ...こんな暇なことしたヤツ
自分が座る机ではあるけど学校の備品だ
ノートを取ったりするのには関係ない場所であれば別にいい
自分にその非を咎められると困るがそんなことも無いだろう
あまり気にするもんでもないか...
そう思うとどうでも良くなって
俺は暫らくそのことを忘れていた。
「ねえねえ、ふたみ~!」
「あら槌谷、どったの?」
俺の隣でノートを写していた二見に槌谷が何かを差し出した。
「これ返すの忘れてたのん♪」
「あぁ、別に返してくれなくてもよかったのに」
「そうもいかぬよ!ふたみの名前入りなんて怖くて最後は机の肥やしよん」
そう言った槌谷の手から二見に返ってきたのはまだ新しい消しゴムだった
「机の肥やしってなんだよ」
消しゴムを手にとって弄くっていると槌谷がにへらと笑って俺を見る
「二見のモノって分かったら女子の視線が釘付けなりよ~!!」
俺の手から消しゴムを取った槌谷はある面をコチラに向けて見せてきた
そこには少しクセのある、でも見やすい字で『23』と書かれている
「23?」
「ん~とね、2が、ふた。で、3が、み?併せてふたみね」
「へ~」
「二見のものには結構書いてるよね?」
「ん~、そうね」
「ふぅ~.........ん?」
向けられた消しゴムを見ながら話を聞いていて
ふと
机の数字のことを思い出した
あれの23っての...まさか「「ふたみ」ってことか?
尋ねてみようかと黙ったままノートを写す二見へ視線を移す
黙々と手を動かす二見に聞いてもいいものか悩んでいると
「ちなみに0はテニス用語のだから」
そんな声が聞こえてきて二見の視線が俺を捕らえた
その顔は女子だけでなく男でも見とれるほどに甘く崩されている
やっぱりこいつか...
そう思いながらテニス用語で0の意味を思い出す
...........................っ!!!
二見の反対側で『なになにテニス用語~??』と槌谷の素っ頓狂な声が聞こえてくる
でも
俺はそんなことも気にならないほど顔が熱くなっていて
二見の視線から逃れる為にわざと窓の外を見た
これは一種のおまじない
『アナタが俺のこと好きになりますように』
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その数字の意味
お題は難しいなぁ...文才と色んなネタを考えられる柔らか頭が欲しい(苦笑)