昨日もキミに会えました
今日もキミに会いました
それだけが
それだけのことが
とてもとても嬉しくて...
明日も会えたなら
きっときっと
幸せなんだろうな
「ねえねえジュリ~♪」
「......いい加減その呼び方止めろって」
昔からのクセで名前で呼ぶより先に出てくるその呼び名
キミはその言葉を聞くといつもイヤな顔をするけど
一応はその呼び名でも反応してくれるようになったから高校時代に比べれば少しは慣れたのかもしれない
チラッと目だけで俺を見て、キミはすぐに視線を戻した
戻された先にはパソコンの画面
机の上にはたくさんの本と紙切れ
ジュリエットの受けている講義は提出するレポートが多いらしい
一昨日は必要な本や資料を書庫で探し、昨日はそれを読破していた
すごいよね...ジュリって
たくさんの資料を探すのも、それを全部読んじゃうのもすごい
俺には到底出来ないことだ
でも一番すごいのは今ものすごい勢いで動いているキミの手
殆ど停まることもなく黙々とキーボードを叩いてるから画面には次々と文字が並んでいく
頭の中で内容を纏めているのかキミの視線が画面から逸らされることはなかった
隣にいるのに...少しくらい気にしてほしいよ
邪魔をしてるのは分かってる
だからこそそんな我儘言えない
でも
やっぱり少しでもいいから気にして欲しくて
キミの手に触れるか触れないか微妙なところに自分のそれを添えた
カタカタカタカタ...
まったく俺の手なんてお構いなしでキミの手は画面に文字を綴っていく
少し手を伸ばせばキミの手に触れることが出来る
触れてしまえばこっちを向いてくれるのかもしれない
ダメだ....やっぱり邪魔、してる...
邪魔はしたくないのに...気にしてほしくて
このまま傍に居ればジレンマでどうにかなっちゃいそうだったから
俺はこれ以上邪魔しないように静かに椅子を立った
キミは画面に夢中だから気付かないだろうと何も言わずに背を向ける
「帰ンのか...」
「え...」
気付かないと思っていたのにいきなり声を掛けられたからビックリした
聞こえてきた声にゆっくりと振り返るとキミが目頭を押さえてこちらを見ている
「...部活?」
「ううん...今日は休みなの」
「用事あンのか?」
「ううん...特に無い、けど」
俺を見てくるキミの顔がだんだん歪んでいくように見える
なんでそんな顔するの?
キミの表情の意味が分からなくて首を傾げた
そんな俺の様子にキミは小さくため息を吐いて
「じゃあ居ればいいだろ」
消え入るような声で呟いた
え??
どうして?どうして??ココに居ちゃダメでしょ?
何にもしないでキミの隣で顔を覗きこんでるだけなんて
「邪魔でしかないでしょ?」
思っていたことが無意識に口から吐いて出た
俺の言葉を聞いたキミはまた一段と顔に深い皺を刻んでいく
その顔を怖々見ていると、キミはさっきとは比べ物にならないほど大きなため息を吐いて
「居ないと気になンだよ...」
顔を真っ赤にしながらそう呟いた
いつもいつの日も傍にいる
ただそれだけで『幸せ』
**
明日の先にあるもの
高校卒業後大学生な二人の設定で(汗)
傍に居ても気にならない(邪魔にならない )けど居ないと逆に気になって捗らないみたいな...
またお題と違う...しかも話が纏まってない
あぁ不発ばかり(泣)